フェンシングの優先権(アタック権)と審判のルール徹底解説|観戦が変わる

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フェンシングの優先権
審判のルール徹底解説

「両方のランプがついたのに、なぜ片方だけ得点?」——フェンシング観戦で誰もが一度はぶつかる謎。その答えが優先権(アタック権)です。この記事では、初心者がつまずきやすい優先権の仕組みと、主審のコール・ジェスチャーの意味を、できるだけやさしく解説します。これを知ると、試合の見え方が一変します。

まず「ランプ」の意味から

フェンシングは電気審判器で得点を判定します。剣先が相手の有効面に一定の圧力で当たると、ランプが光ります。

赤ランプ

右側の選手が有効面を突いた

緑ランプ

左側の選手が有効面を突いた

白ランプ

無効面に当たった(フルーレのみ)

問題は、両方が同時に突いて、赤と緑が両方光ったとき。エペなら両者に得点が入りますが、フルーレとサーブルでは「どちらか片方だけ」が得点になります。それを決めるのが優先権です。

優先権(アタック権)とは?

優先権は、フルーレとサーブルだけにあるルールです(エペにはありません)。ざっくり言うと——

「先に正しく攻撃を仕掛けた方が偉い」というルール。
両者同時にランプがついたとき、優先権を持っている側にだけ得点が入ります。

ここが最重要ポイント。優先権が意味を持つのは「両方のランプが同時についたとき」だけです。片方しか光っていなければ、優先権に関係なくそのまま得点になります。

たとえるなら、優先権は「攻撃のボールを持っている状態」。ボールを持っている人が攻めれば得点、持っていない人は、まず相手の攻撃を「弾く(防御する)」ことでボールを奪い返してから攻撃しないと得点になりません。

優先権はこう動く(攻防の流れ)

優先権は一瞬で入れ替わります。基本の流れはこの3ステップ。フランス語の用語も一緒に覚えると、観戦が楽しくなります。

1
アタック(攻撃):先に腕を伸ばして相手に向かう。この時点で優先権を持つ。
2
パラード(防御・受け):相手のアタックを剣で弾く。成功すると優先権が自分に移る。
3
リポスト(反撃):弾いた直後の反撃。今度はこちらが優先権を持って攻撃する。

この「アタック → パラード → リポスト」の応酬が、フルーレとサーブルの醍醐味。両方光ったとき、主審は「最後に正しく攻撃していたのはどちらか」を判断して得点を決めます。

主審のコール(号令)を覚えよう

フェンシングの試合用語はフランス語。主審の号令を知っていると、試合の流れが手に取るように分かります。

アン・ガルドEn garde
「構え」。試合開始前の準備の号令。
エト・ヴ・プレ?Êtes-vous prêt?
「準備はいい?」。選手は「ウィ(はい)」で応える。
アレAllez
「始め」。この号令で試合開始。アレの前の動作は無効。
アルトHalte
「止め」。この号令で試合中断。アルト後の動作は無効。

得点が入ると主審は手や腕のジェスチャーで「どちらが攻撃していたか」「得点はどちらか」を示します。腕を伸ばす方向が、優先権のあった側を表します。テレビ観戦では、このジェスチャーに注目すると判定の理由が見えてきます。

種目ごとの優先権まとめ
フルーレ
優先権あり。有効面は胴体。「攻撃の主導権」の奪い合いが見どころ。
サーブル
優先権あり。有効面は上半身。斬りもOKで最速。優先権の攻防が高速で入れ替わる。
エペ
優先権なし。全身が有効面。先に突いた方が得点。同時突き(約0.04秒以内)は両者得点。
これで観戦が変わる

優先権のルールを知ると、フルーレ・サーブルで「なぜあの1本が入って、こっちが入らないのか」が分かるようになります。両方光った瞬間に「どっちが攻めていたか?」を自分で予想して、主審の判定と答え合わせをする——これがフェンシング観戦の一番の楽しみ方です。

正確な競技規則は、日本フェンシング協会が公開している国際フェンシング連盟(FIE)競技規則の日本語訳で確認できます。もっと深く知りたい方はぜひ。

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